2008年7月16日水曜日

Vol.028 企業再建はドラマだ(中)

~金谷ホテル観光再建物語 その2~

「人のリストラはやらずに再建する」
というのが新社長の就任時の公約であった。

当時の社員は、その社長の言葉を半信半疑で聞いたらしいが、
あることがキッカケとなり、最初の信頼を勝ち取ることが出来た。

そのキッカケとは、
ある超ベテランの仲居さんが定年退職を迎えたことである。

その仲居さんがある日、社長室に来た。
「社長、私は今日で定年退職になります。お世話になりました。」
と定年退職の挨拶に来たのである。
既に、現場の様子をある程度把握していた社長は、
その仲居さんなしでは「再建は困難である」ということを感じていた。

社長は、
「定年退職は困るので、なんとかもう少し留まって再建に協力して欲しい」
と慰留をお願いした。
しかし、定年延長などということは、
未だかつて、一度も金谷ホテル観光にはなかったことだった。

「私ももう年ですし、そろそろ体も休めたいのです」とその仲居さんは
何度も辞退を申し出たが、社長の根気強い慰留説得により、
ついに、定年を延長して一緒にがんばる決意をしてくれたのだった。

その時の仲居さんが後日談で、
「会社が定年を慰留するなんてことは、
本当に、今までは有り得なかったことです・・・」と当時の驚きについて
語ったそうで、その驚きとともに、この社長と一緒に再建に挑戦してみようと
心を動かされたことは想像に難くない。

社長曰く、
「たぶん、このことが一つのきっかけで、
社員が、私の再建にかける熱意を感じてくれたのではないでしょうかねえ」
とのこと。

ベテランの仲居さんを引き留めた後に、続けて社長がやったのは、
旅館業の本質=「サービスアップ」であった。

続く。

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