2008年7月9日水曜日

Vol.027 企業再建はドラマだ(上)

金谷ホテル観光と言えば日光鬼怒川の老舗旅館である。
その金谷ホテル観光が、2003年の足利銀行の破綻により、
産業再生機構の助けを借りることになったのが2005年のことだが、
先日、たまたま、その再建時の社長の講演があり再建物語を聞く
機会があった。

金谷ホテル観光はワンマン同族会社の典型である。
新社長が着任したころは、「社員はすぐに行動に移す」という
ビジネスの基本が出来ていなかったそうだ。
具体的には、例えば、新社長が2回指示を出しても、
なかなか行動に移らない、という傾向が強かったらしい。

そこで、新社長が社員に聞いたところ、
以前はワンマン社長の指示が頻繁に変わるので、
社員は自然と3回目の指示で動くようになったとのこと。
「3回ルール」というものが暗黙の風土として定着していたらしい。

また、このころは日光・鬼怒川への観光客も激減しており、
観光客誘致のために、ツアー対象の安売りをしていたらしい。
しかし、この安売りが老舗の格を落とし、観光客の評判を落とし、
「お客さんが来ないから、又、安くする」
「安くするからサービスも料理も低下する」
「低下するからお客さんが来ない」という、まさに、
絵に描いたバッドスパイラルをグルグルと急降下していたらしい。

そこで、新社長がやったことは、

 1.再建中でもリストラは一切行わない
 2.サービスの向上を徹底する
 3.料理の原価は高くても良いものを出す

という、通常の再建策とは真逆のプランだった。

通常、赤字経営の会社を再建するには、

 1.人件費カット
 2.サービスは最低限にする
 3.原価削減

というのが、数字を回復する近道である。

当時を振り返って、新社長は、
「普通のやり方(後者)でリストラなど数字的に企業を回復させても、
 そんなことなら誰でも出来る。普通の人が出来ないことをやるから
 再建のヤリガイがある」と。

結局、金谷ホテル観光は、な、なんと1年で赤字脱却、
2年目では増収増益という離れ業をやってのけるのですが、
「新しい風土づくり」が社員の心を掴んだ感動物語でした。

更に、この3つの再建プランの一つ一つに、さまざまなドラマがあるの
ですが、それはまた次回ご紹介したいと思います。


山谷@再建はドラマ…!

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