2008年5月28日水曜日

Vol.021 え?100人じゃなくて、ですか?

IT系企業の社長と新卒採用の話をしていたときのこと。

その社長いわく、
「結局、IT業界は、優秀な人材をどれだけ集められるかが
企業成長のポイントなんだよ」とのこと。

そうですねえ、と相槌を打っていると、

「つまり、学生が就職活動する時には、まずNTTデータや野村総研、
IBMなどの大手企業からスタートして、順番に降りてくるんだよね。
大手のIT会社には勝てないにしても、中堅の会社には学生獲得で
勝っていかないと、結局開発力で、その会社を超えることが出来ない。
本当に『人が財産』な業界なんだよ」と補足いただいた。

確かに、やっている仕事の分野や内容があまり変わらないとしたら、
人の面で勝負をするしかない。

一方、ある急成長中のIT系企業の人事部長と話をしたときのこと。
ちなみにその会社は、独特の採用制度や社風で個性を打ち出している
ことで有名な会社である。

その部長がおっしゃることには、
「うちは優秀な学生を採用するためにインターンシップを活用して
いるんですよ。毎年1000人以上の学生が来るので大変なんですよ。」
とのこと。

一瞬、耳を疑った。「え?100人じゃなくて、ですか?」

「はい。驚かれる方も多いのですが、私達にとって考え方はシンプルです。
優秀な学生を取る!そのために何かを妥協するという発想がないの
ですよね。目的に向かってシンプルに行動する。
その結果、インターンシップ生が1000人来ようが、その受け入れ体勢を
つくることに妥協はしないんですよ。」とのこと。

うーむ、なるほど。目的に妥協しない採用。
その結果として生まれる個性強烈な風土。
風土には経営者の強い意志が必要なのだと改めて実感しました。

山谷@意志は石より固い。オヤジ。

2008年5月21日水曜日

Vol.020 中年ミドル世代よ復活せよ!

5月26日号のアエラ(朝日新聞出版)に
「会社は家族 私と仕事の新しい関係」という特集が組まれた。

内容的には、お誕生日会や独身寮、飲み会投資、運動会、スポーツ観戦
などなど、さまざまな企業の社員定着率のための施策が取材されている。

しかし、取材の論点は若者たちの定着率を主眼としていたが、
実は、今の日本企業の弱点は若者ではなく、30代半ば~40代後半までの
バブル&バブル崩壊体験&IT促進リーダーを任命されていた中年ミドル層
なのではないだろうか。

中年ミドル世代は(私も)、ウィンドウズやインターネットをはじめとする
仕事のIT化が急速に米国から輸入されたときのリーダー層であり、
同時にまた「昔から日本企業にあったアナログコミュニケーション」なども、
効率という名のもとに自ら切り捨ててしまった変革の世代である。

ミドル世代は「デジタル・IT大好き症候群」になってしまったことにより、
自らコミュニケーション不全に陥り、
組織マネジメント能力不全を発症してしまっている可能性が大である。

ミドルが会社をダメにする、とは昔から言われて来たことであるが、
まさに、今、日本の企業はミドル復活が大きな課題だ。

若者に受けが良い制度だけではなく、
経営の中核であるミドルがコミュニケーションを取り戻すことが、
日本企業のパワー発揮の大きなポイントではないだろうか。


山谷@私もがんばろう!

2008年5月14日水曜日

Vol.019 弱気遺伝子ニッポン

「グーグルが日本を破壊する」(PHP研究所、竹内一正著)という本が
先月末出版された。

タイトルもそうだが、その目次に魅かれて思わず買ってしまったのであるが、
その中で慶応大学の榊教授が「日本人は弱気の遺伝子を持っている」
「争い事を好まず、長いものには巻かれ、和を最も貴い価値とするこの国の
文化は・・・以下略」という点が、確かにそうだなあ、と考えさせられた。

また、「お金を生まない優秀な部下たち」という章では、
アップルのCEOスティーブ・ジョブズの強烈なプレッシャーマネジメントが
部下の能力を驚くほどに引き出しiPodを生みマッキントッシュを作り出した
のに対し、ソフトマネジメントのグーグルは検索広告以外にヒット商品が
出ない、と言及している。

確かに、社員満足度の高い会社にグーグルは堂々1位でランキングされて
いるのに対し、アップルは社員満足ランキングで探すのが大変なくらいに
マイナーであるが、ヒット性ではグーグルよりも上かもしれない。

果たして、我々の弱気遺伝子には、どういった経営風土が適しているのか?

振り返るに、弱気遺伝子ニッポンもプロジェクトXでとりあげられた
トピックに代表される数々のヒット商品を生み出したし、
トヨタ自動車は世界No.1となった。

景気減速になった今、これからが日本企業の真髄が試されるときである。


山谷

2008年5月7日水曜日

Vol.018 一見ムダなものに対しての投資

1985年、リクルートが「リクルート25年史」という400ページ以上にも
わたる記念誌を編纂した。(つまり、創業は1960年)

私が新卒でリクルートに入社したのは1986年なので、その前の年に
編纂されたものである。

その中には、先進的な企業組織論で有名な一橋大学の野中教授と
当時専務であった大沢さんとの対談が掲載されている。

その中で、大沢さんが
「組織人事面の活性化を戦略的に考える際のポイントは、
一に人事異動、二に採用、三に教育、四に小集団活動、五にイベント」
と言っている。

また、
「組織活性化のためのさまざまな施策は、きわめてコストがかかります。
ここでコストをムダだと思う価値観があると、それに対して否定的な
ベクトルが必ずどこかで入る。その障害になるのがミドルマネジメントで
あったり、古いトップの老害であったりすることがあります。そういう、
きわめてコストがかかる、一見ムダなものに対して投資するという経営の
価値観がないと、活性化のための思い切った施策は打てない」
という主旨のことについても言及している。

京都の老舗メーカーである村田製作所が、「運動会を再開!」したという
ニュースは、経営者がさまざまな社内障壁を打ち破り、まさに、
「経営の価値観を実現した」という非常に重大な決断だったのだと、
改めて実感した次第です。


山谷